買える家が小さくなる?ー2018年1月1日より

1月1日から銀行からの住宅ローンを利用しての購入可能額が大幅に減る?

10月17日火曜日、カナダの銀行を監督する機関OSFI(The Office of the Superintendent of Financial Institutions)より、住宅ローン(モーゲージ)の貸出時のルール変更・審査基準の厳格化(ストレステスト)のためのガイドラインが発表されました。新たなルールは2018年1月1日より適用され、これまではストレステスト適用外であった不動産購入時の頭金20%以上のケースが対象となります。

今年度末までの貸出審査では実際の貸出金利(現在は3%前後)を用いて貸出限度額が算出されますが、来年からは審査時点での実際の貸出金利に2%上乗せした数字(あるいはカナダ中央銀行のベンチマーク金利どちらか大きい方)を用いて貸出限度額が算出されます。

例として、年内に20%の頭金で最大50万ドルの物件購入が可能な購入者が、年明けに同じ条件で審査をうけると最大購入可能額が$406,844となります。概算ではありますが購入可能額が約18%ほど下がることになります。

年内 年明け以降 NOTE
① 審査に利用される金利 3% 5% 想定値として3%利用。ポイントは年明けに2%追加された金利が利用されること。
② 月の返済額 $1,893- 返済限度額は収入の一定率なので、ここでは購入物件価格にかかわらず同額とします。$1,893-は年内に50万ドルの物件を購入するのに必要とされる返済額です。
③ 返済期間 25年
④ 借入可能額 $400,000- $325,475- 借入可能額は①②③により決まります。
⑤ 頭金20% $100,000- $81,369-
⑥ 購入可能額 $500,000- $406,844- ④+⑤
この例では購入可能額が18.6%減少

年明けにモーゲージを利用しての不動産購入をお考えの方は、大幅なプランの変更を余儀なくされる可能性があります。心当たりがある方は早いうちに当方あるいはモーゲージスペシャリストへご相談されることをお勧めします。

OSFIウェブサイト
http://www.osfi-bsif.gc.ca/Eng/osfi-bsif/med/Pages/B20_dft_nr.aspx

2017年10月21日 | Category : その他 | Author : J CAPITAL REALTY admin

2017年8月 カルガリー不動産市況

8月のカルガリー不動産市場は前年同月比で販売数に改善がみられるものの、新規売り物件の増加により売り在庫数が前年比16%増の6,624戸となりました。

CREBチーフエコノミストAnn-Marie Lurieによると「就業率の改善が販売に寄与しているものの、直近の新規売り物件の増加分を相殺するには十分ではなく、結果として在庫量の積み増しにつながっている」とのことです。

8月のベンチマークプライスは前月比で0.3%下がり$442,300となったものの、前年同月比ではおよそ1%の改善となりました。

住宅のスタイル別販売動静は戸建て部門では地域毎に異なり、NW,West, SEエリアはいずれも在庫数が3か月分を下回り、特にWestエリアでは品薄感がベンチマークプライスの大幅改善、前年比で5.48%上昇につながっています。

対照的にアパートメントスタイルの集合住宅は在庫数が7か月分を上回り多くのエリアでベンチマークプライスが前年同月比で下落していて改善には今しばらく時間を要するものと思われます。

就業率の改善は主にエネルギー産業の外で起きており、本格的な不動産市場の改善には広範囲での経済指標改善が必要が求められます。

2017年7月 カルガリー不動産市況

7月のカルガリー不動産統計によると、今年前半のカルガリー不動産市場全体では販売が回復したものの、7月は前年比で6%スローダウンしたとの事です。ちなみに1月から7月末までの前年同期比では9%の増加。

CREBプレジデントのDavid Brown氏によると今年はこれまでの販売数は予想を上回っていたものの、本格的な回復には尚時間を要すると述べています。

直近の販売減は増加する新規売り物件(需要)や住宅ローン融資基準の引き締めが、和らぐ需要と相重なり回復を遅らせるであろうとも述べています。

 

Broker’s Note

6月ころからの新規売り物件(供給)の増加は予想を上回るもので、また年初に比べ低迷している油価の影響かバイヤー(需要)が慎重になりつつあるようで、カルガリー不動産市場全体の減速につながっているようです。

スタイル別では新築供給の止まないアパートメントスタイルの苦戦がめだつ一方、戸建てやAttached部門は比較的堅調であり、また市内ではエリア別に明暗が分かれています。

カルガリー不動産市場全体の前年同月比ベンチマークプライスは1.58%上昇しているものの、比較的好調な戸建て市場でも目安の在庫量3、000件を上回ってきたことから今後上に振れるか下に振れるかを見極める必要がありそうです。

2017年5月 カルガリー不動産市況

カルガリー不動産協会の統計によると、5月のカルガリー不動産市場は戸建て部門に牽引される形で4か月連続で価格回復傾向にあります。

価格水準が2014年レベルに戻るにはまだしばらく時間がかかると思われるものの、戸建て部門では2015年6月以来初めて前年同月比で1%の価格上昇となりました。販売数の回復が目立つ価格帯は60万ドル以上1ミリオン以下となっており、需給の点でタイトなのがNW,価格の点で最も上昇しているエリアはスプリングバンクやアスペン等のコミュニティが属するWestとなっています。

2世帯住宅やタウンハウス等のAttached部門も、戸建て部門同様需給バランスが整いつつありますが、価格の点ではまだピーク時より4.7%下回っており、また前年同期比でも2%下回っています。

コンドミニアム等のアパートメント部門はカルガリー市の全在庫の30%を占めており、前年同月比で在庫量が11%増を記録、NWを除く全域で在庫が増えています。特にSEやSouthでは増え続ける新築物件の影響を受け在庫の増加が目立ちます。全体の価格の点では前年同月比で2.9%下回っています。

 

Broker’s note

カルガリー不動産市場は戸建て部門に牽引されるものの、5月の戸建て総在庫数は1月から4月までの増加ペースを上回り多少供給過多となるトレンドが見られます。今後需給バランスに注視する必要があります。

オンタリオ州政府 - 15%非居住者投機税導入

4月20日オンタリオ州政府は価格上昇率33%と歯止めの利かない不動産市場の鎮静化を目的に16項目に及ぶ対策を発表、翌日施行という荒業にでました。目玉となるのは非居住者の投機目的の購入時に15%の税を課すこと。これは昨年8月にバンクーバーに導入された相応の効果を発揮した15%Foreign Ownership Taxに似たものですが、今後4年以内にオンタリオ州にて移民権・市民権を取得する人、2年間以上の就学者、過去にオンタリオ州にて労働した事実を証明できる人等には還付措置がとられるような違いがあります。

バブルを彷彿とさせる原因についての明確なデータがないため、非居住者に対しての対策がどれほどの効果をもたらすものか疑問の余地があり、また過去29年間でもっともオンタリオ州の人口増加が多いと言われているようにそもそもの要因は需給の不均衡にあるため今後数か月注視していく必要があるでしょう。

これ以外にも空き家に対する課税や、1991年以降に建てられた賃貸用不動産は例外であったRent control等の対策も盛り込まれています。

ここで指摘したいのは昨年のバンクーバーでの税導入から、一時的に販売が落ち込み、その後トロントの値上がりが加速した事実です。今回の税導入が不動産需要を他都市に散らす効果を持つと考えることもでき、現在在庫の減り続けるアルバータ不動産市場は次のターゲットとなりえるやもしれません。

2017年3月 カルガリー不動産市況

3月のカルガリー不動産統計によると、カルガリー全体の戸建て部門では新規売り物件が少なく、長期的な平均販売量にたいしてはまだ10%及ばないものの、前年比では改善しているとのことです。

第一四半期のベンチマークでみると、カルガリーのNW、WestおよびEastにおいては前年比で上昇しており特にNWエリアは売り物件数が非常に少なく、3月の販売対在庫数は1:1.63と売り手市場になっています。(1:3程度が需給バランスのとれたマーケット)

これに対しアパートメント部門は未だ売り在庫が多く、販売対在庫数で1:6.14と回復が遅れているようです。

全てのエリア・全ての部門で見れば、長期的な販売量にたいして8%下回るものの前年同月比では20%増の1,906戸を記録し回復傾向を示しています。

 

カルガリー不動産協会3月不動産統計

2017年カルガリー不動産市場 – 市場動向シミュレーションと考察

長引くオイル不況もここにきて僅かながらにカルガリーの失業率が10%の大台を下回るニュースを聞くにいたりました。経済全般の回復にはまだまだ長いスローな回復過程があることと思いますが、年明けからのカルガリー不動産市場・戸建て物件部門に関しては特定の価格帯や地域等を慎重に見極める必要があるものの改善が見られます。

2017年度の不動産戸建て市場は年初から夏場にかけて需給バランスの逆転が起こり、主要価格・主要エリアの物件を筆頭に価格面で改善が期待されるものとみられます。

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2017年1月 カルガリー不動産市況

カルガリー不動産協会によると一月のカルガリー不動産市場は4か月連続で在庫が減少し月末在庫が4,112戸、前年同月比で18パーセントの減少となりました。

CREBチーフエコノミストAnn-Marie Lurieは在庫の減少により需給バランスに改善がみられるものの、忘れてはいけないこととして比較対象としている昨年度の不動産市況は過去の最も低調であった年の一つであり、ここ数か月の大きな改善への変化にかかわらず本格的な改善はまだまだ時間のかかるスローなプロセスになるとコメントを残しています。

全販売戸数では前年同月比24パーセント増、しかしながら10年平均値比ではまだ21パーセント及ばず、あくまでも前年比でのことです。

不動産スタイル別では戸建て物件が好調で需給バランスの整った市場の目安である在庫対販売比率が3.2か月分となっています。

カルガリー不動産市場全体のベンチマークプライスは$437,400で前月比0.16パーセント減、前年同月比では2.82パーセント減。直近の高値であった2014年との比較では戸建て物件で4.9パーセント減、アパートメントスタイルのコンドミニアムでは11.5パーセント減となっています。

12月バンクーバー不動産市場前年比約40%ダウン...

Real Estate Board of Greater Vancouver(バンクーバー不動産協会)によると、バンクーバーエリアの不動産市場は前年同月比で2016年12月は平均不動産価格こそ17.8%もの上昇を記録し$897,600となったものの、不動産販売量の点では39.4%もの減少を記録しました。

部門別では戸建て物件での販売減が52.4%と突出しています。平均戸建て価格は$1,483,500で前月11月より1.8%のスローダウンでした。

全ての部門での月末売り在庫数は前年同月比で5.3%増と増えたものの12月に新規に売りだされた物件数は35.1%減となっていて積極的な売りの圧力は見られていません。

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